近況報告2

はゎゎ......

 

 いくぶん残暑も和らぎ、しのぎ良い日が多くなりましたね。ところで、しのぎいい日って何ですか?

 まだ遠いですがハロウィーンは確実に近づいており、街中ではハロウィーンの仮装グッズが多く見受けられる時期になってきました。僕はコスプレするならタラタラしてんじゃね〜よの人かgetting over itの壺男かなと思っています。

 

 時候の挨拶はこんなところにして、みなさんお久しぶりです。お元気でしたか?

最後に更新したのは、「地獄の飲み会に参加した時の話」なので一年近く開いてしまいましたね。

 

(以下本文)

 皆は僕のインスタのストーリーを見てくれているのでわかっていると思うが、この一年で僕の生活は一変した。ちょくちょく高校の頃の友達に「最近めっちゃ大学生大学生してるな。俺は悲しいよ。あの頃の尖ってたお前はもういないのか」的なことを言われる。エグいてぇ。でも僕の取り巻く環境が変わっただけで、俺自体は何も変わっていないと俺は思う。今でも、彼女がいる男は全員おもんないと思ってるし、性癖も何一つ変わっていない。

 

今年に入って大きく変わった事は、古着屋で働かせていただくことになった、ということだ。大阪にいた頃から古着には興味があったのだが、ここでアルバイトしてみたいというほどではなかった。大学に入って初めに不安を覚えたのは、毎日私服で学校に行かないといけない、ということだ。小学校中学校高校ではずっと制服を着ていたので、着る服がそんなにないという事はあまり問題にはならなかった。ましてや高校生の自分はあまりお金を持っていなかったので色々なコーデを楽しむ余裕すらなかった。俺自身も服なんかパーカー1着あれば服なんてどうにかなると思っていたし、その点に関しては今も思っている節がある。しかし、大学では毎日私服で登校しないと行けなくなる。まあ別に毎日同じ服でもいいっちゃいいのだが、俺はやっぱりカッコをつけたい人間なので、それは耐えられなかった。また、ご存知の通り静岡には娯楽がない。大学一年生の頃は、家に侵入してきた虫を殺すくらいしか俺に趣味と呼べるものはなかった。ゴキジェットはまじで最強。全ての虫を二秒以内に粉砕する。俺の家はゴキジェットの空気中濃度が異様に高いので、来客達の寿命を奪っていると思う。ここらにはそれほどまで娯楽がなかったので、俺は街に出てショッピングをすることが多かった。服を買わなければならないという焦りがあった中、俺はある古着屋に出会った。それが今俺が勤務しているOLD GOLDである。このお店では、スタッフが絶対に接客につき、手取り足取り、というか、まあわかりやすく言えばキャバクラのような接客をする。どこから来られたんですか、とか、時には彼氏さんはいるんですか、とか、服を勧めることよりもお客さんと打ち解けるための雑談のようなものが多かった。俺が初めてお店に行った時は、Aさんという人に接客についてもらった。その人とは話がすごく盛り上がったし(向こうが合わせてくれていただけかもしれないけど)、楽しかったし、また来てこの人と話たいと思ったから、インスタも交換した。交換したというか、俺が一方的にフォローした。フォロバが帰ってきたのはまた後のお話。それからというものの、そのお店に通うようになったし、古着のことも好きになった。Aさんとも仲良くなって、いつしか俺はこのお店で働いてみたいとも思うようになった。ちょうどその頃、そのお店のインスタにはスタッフ募集といった内容の投稿がなされていた、それをみて僕は応募してみようと思った。

後日僕はそのお店に行き、Aさんに、このお店で働きたいですということを伝えた。Aさんは、君に向いてると思うよ、といってくれた。案の定(案の定?)僕はOLD GOLDで働かせてもらえることになった。後になって知った話だが、その時の募集には16人の応募者が来たらしく、無事採用となったのは俺ともう一人だけだったらしい。これは誇りに思ってもいいのではないだろうか。

その古着屋で働くようになったのだが、お客さんの時に仲良くしていたAさんとはあまり会話はしなかった。よくよく考えたらそれほどそのお店に通っていたわけでもないし、そもそもその人は毎日このお店で何人もの客を相手にしているから、俺はその有象無象のうちの一人だったのだろうと思う。しかし、俺が入社して一ヶ月後くらいに、Aさんの方から声がかかった。「前から仲良くしたいと思ってたんだよね、今日この後暇?遊ぼうよ」俺は二つ返事で承諾した。その時はバイト終わりに飯か飲みに行く程度だと思っていたが、そうではなかった。小さなクラブで音楽パーティがあるから、行こうといった誘いだった。ついに俺もクラブデビューか、と期待に胸を膨らませた。地元でHIPHOPのイベントなどのために何度かクラブには行ったことがあるが、それとこれとは勝手が違うと大阪の友達にマウントを取られたことがある。どう考えてもHIPHOPを純粋に楽しむためにクラブに行っている俺と、女を抱くためにクラブに行っているやつでは、後者の方が下だろ、と思っていたが、案外にクラブは思っていたよりも楽しいものだった。そのクラブに行く前に、Bar的なところでAさんと待ち合わせをした。そこには、僕と同様にAさんに誘われてここで待っていてと言われた人たちが6人いた。Aさんが来て、そのBarで少し飲んだ後にクラブへ向かった。その集団の構成はAさんを含めて男2人、女5人だった。道中でAさんの知り合い3、4人と合流した。この人はどんだけ顔が広いんだとかなり驚いた。

クラブに着くと、Aさんの連れにテキーラを奢ってもらいみんなで乾杯した。馬鹿の象徴でもあるテキーラを、初めて美味しいと思った。HIPHOPのイベントでクラブに何度か行ったことのある俺でも、こういったクラブの楽しみ方はまじでわからなかった。そのクラブとこのクラブとは訳が違うと言った友達のセリフが頭の中で反芻された。クラブの端の方で、僕は純粋に音楽を楽しんでいるだけですよ、女とかそういうのには興味がありません、と言ったような顔で、バーカンでもらった酒を片手に音楽に乗っていた。ノリ方は、その辺の人のを真似た。そうこうしていると、Aさんは僕の魂胆を見透かしたように「もっと遊んでいいんだよ、女の子いっぱいいるんだし」と耳元でささやいた。

そこで俺はハッとした。このままではいけない、県内で最大の古着屋で働いている、いかにも遊んでいそうな見た目の大学生が、クラブの端で一人で壊れたメトロノームみたいに揺れている。こんな笑い話があるか。「そうですよね笑」と、そろそろ動きますぁみたいな雰囲気を出して、クラブの真ん中に移動した。女の食い方なんて知らないのに。俺は焦ってB(eーちゃん)にLINEをした。高校の時はいかにも童貞ですが、と言った雰囲気を醸し出していたが、どうやら大学に入ってからはクラブで女を食っているらしかったからだ。するとBは、端でゆっくり酒のんどきゃいいよ、と言ってくれた。ちょっとかっこいいのが癪に障るが、俺はその言葉に従うことにした。

そうこうしていると、近くにいた女の人に声をかけられた。「えっ!!!!!モルカーだ!!!!!!!」

その時、俺は小さなバッグを肩からかけていて、そこにはPUIPUIモルカーのシロモのマスコットをつけていた。でも、その女の人はあまりタイプではなかったので、話は適当に流した。

クラブの真ん中の方で、Aさんの連れのうち2人の女の子が小さく揺れていた。大袈裟にリズムに乗っているわけではないが、いかにも遊び慣れていますよ、と言った風格が出ていた。その子達が、少し後ろの方にいる俺のことに気がついて何だか二人で話している様子だった。音楽が鳴り響いていて、何を話しているのかは全く聞き取れなかったが、目線と表情から何を話しているかは大体予想がついた。少しずつ少しずつこっちに近づいてきて、彼女達から声をかけてきた。「このストラップかわいい〜〜」俺の予想は的中していた。モルカーのストラップを鞄につけていると女からモテるらしい。これは俺がクラブから勝ち取った超有益な情報なので、メモしたほうがいいと思う。まあ、シロモが俺に話しかけるための口実に使われていただけかもしれないのだけれど。

俺に声をかけてきた女の子二人のうち、片方がめちゃめちゃに可愛かったし。どうやらすでにベロベロに酔ってるらしかった。死ぬほど距離が近かったし、ボディタッチもエグかったのでビッチ感がすごかったが、そんなところが大好きだった。クラブは音楽が大音量で鳴り響いていて、会話するには顔をかなり近くまで近づけないと会話ができなかった。そう言う理由で勝手に距離が近くなるので、クラブってスゲーと思った。

「一杯奢るんで、俺と二人で飲みませんか?」そう言うと俺は彼女の手を握って、バーカンまで連れて行った。こんなスキル俺はどこで手に入れたんだろうか。今思うと俺ってスゲーっと思う。相手は二人組だったのに、片方だけ拉致ってきて、片方を置いてきてしまったことに罪悪感を覚えながらも、ハイボールを2つ頼んで二人で飲んだ。二人で何を話したまではあまり覚えていない。これは酔っていたからとかではなくて、単に時間の経過によって忘れてしまった。ラインを交換したり。お互いの誕生日がいつかとか、その辺りに住んでいるのかとか、そう言った話をしたのは覚えている。まるで、今日が終わってもまた機会がある二人のように。

もう一杯お酒を飲もうとした時に、今自分が財布を持っていないことに気がついた。財布はまじで毎日なくすので、それほど焦っていなかった。どれだけ探しても見つからなかったので、財布はもう諦めて、クレジットカードの会社に電話してクレジットカードは止めた。お酒を飲んでいてもその判断を瞬時にできる自分のことを改めてかっこいいと思う。クレジットカードは今現在に至っても復旧されていない。財布がなかったので、お酒をこれ以上その子と飲むことはできなかった。その子は今晩おごられる予定だったらしく、財布に千円しか入っていないらしかった。俺は彼女に「俺がジャンケン勝ったら一杯奢ってくれん?」と言った。彼女は「女の子に出させるなんてダサくないですか〜?」と煽ってきたが、ジャンケンには応じてくれた。普通にジャンケンに勝ったし。普通におごらせた。そう言うところが俺のいいところなんだと思う。

どう言う経緯だったか忘れたが、バーカンの前で周囲には目もくれず、キスしたりされたり、耳をなめたり噛まれたり、抱きしめあったり、後お酒を口移ししたりもした。いつもいろんな男にこうやってるんだ、って意地悪く言いながら。いつもいろんな女の子にこんなことしてるんでしょ?って言われながら。本当はクラブに来たこと自体初めてだったから、そんなことをいつもしている訳なんてなかったが、俺はしてないよ、とわざとらしく言った。そうでもしないと、彼女と同じステージに立てないと分かっていたから。俺も今日だけの記憶で終わられたくなくて、腕に噛み跡を残したりした。財布をなくしたことなんてもうどうでもよかった。現金で下ろしたての二万円が入っていたけど、二万円以上の楽しいことをしてるからいっかと思った。

そんな感じでイチャついていると、Aさんの連れのうちの一人が「財布ってこれ?」と渡してきた。それだった。財布が見つかった気持ちの良さに、周囲の人たちにお酒を奢った。4000円くらい消費したが、なくなったと思っていた二万円が帰ってきて、実質16000円の収益だったので、全く問題はなかった。その後俺たちは二人でその場を抜け出した。外は思ったよりも明るくて、恥ずかしかった。このままラブホルートかな?と思ったが俺は次の日昼からバイトがあったので少々帰りたかったし、向こうもそんな感じではなかったので帰ることにした。相手の財布は俺が空にしたので、タクシー代は俺が出した。絶対返すから、また私と飲んでください。絶対に。と向こうは言っていたが、本当にその機会があるとは俺は思っていなかった。クラブで出会った男女の関係って、一夜限りのものだと自分は思っていたから。絶対にね。と言う俺の念押しのような返事は、どこか宙へ舞って行った。そんな感じでその場を後にし、俺は始発に乗って帰った。家に帰ると、彼女からラインが来ていた。俺も帰宅したよ、と言うと彼女から電話がかかってきた。さすがにその内容は全部忘れた。俺も彼女も、眠すぎて寝落ちしていた。

朝起きると電話は切れていて、お決まりの(俺は経験がないので実際にどうなのかは知らないが)ラインが来ていた。おはようございます昨日はすみませんでした。恥ずかしい。まじでやらかした本当に。本当にお酒でやらかした次の日にはこんなラインが来るんだなーと知れて嬉しくなった。別にそれほどまでお互いにやらかした実感はなかったのだけれど。嬉しかったのは、彼女は今日になったら俺のことを忘れているんだろうなと思っていたからなのかもしれない。とりあえず、関係が続いたことを嬉しく思った。そこからだらだらとラインを続け、たまに寝る時間を惜しまずに長時間電話したり、その辺のイチャコラカップルの如く過ごした。今見返してるけど死にそう。たすけて。

それからご飯に行く約束をして、初めてシラフであった。そう言えば彼女のことを彼女彼女と形容していてわかりにくいのでCちゃんとする。Cちゃんは俺の思っている2万倍可愛かった。クラブは相当暗かったので、相手の顔の全容が分かっていなかった。それを把握していたので、その時の雰囲気よりも2、3個下の顔が来ることを想定していた。しかし、二万個上で来たので流石の俺もワンピースみたいに目を飛び出すような驚き方をしてしまった。クラブに来るような女は頭が相当に悪いのだと心底馬鹿にしていたところはある。でもCちゃんは、確かに分数の足し算とか、少し難しめの表現こそわからなかったものの、俺と普通に会話できていた(俺との会話が高レベルだとか言うそう言う意味ではなく)。こんな可愛い子の隣を歩けることを誇りに思った。しかし、彼女のことをどこか好きになれない自分がいた。彼女は相当に俺のことが好きな様子だった。様子と言うか、好きということは毎日電話で言われていた。泣きながら電話がかかってきたことも何度かある。私はこんなに好きなのに、好きになってくれないの?と。俺は、ごめんね、と言うことしかできなかった。俺はすこしカエル化現象を起こしやすい体質であった。カエル化現象とは、好きな人が自分に振り向いてくれた瞬間に気持ち悪く感じてしまう現象を、グリム童話のカエルの様に準えたものだ。俺はカエル化現象というよりかは、自分のことが好きな人を好きになれないと言ったほうがいいと思う。それも、自分が好きだった人が自分のことを好きになったことがないからだ。あるっちゃあるのだが、厳密に言えばない。だからこれをカエル化現象と呼ぶことはできない。準カエル化現象と呼ぶことにする。この準カエル化現象は厄介なもので、相手のことがタイプで、可愛いな〜と思っていても、相手に向けられた好意に応えることはできない。

俺がこの現象を発症してしまったのは、俺は自尊心が低くて、俺なんか好きになるところなんてどこにもないのに、と心のどこかで思ってしまっているため、自分のことを好きになる人間のことを怖く思ってしまうのではないか、と考えていた。しかし、最近は自尊心が爆あがりして、俺って好きになるとこばかりだなあ〜、そら好きにもなるわ、と思っているので、これは違うと思う。もう一つ考えられるのは、俺は中学二年生の時に、同じ部活動の女の子に優しくしたことがきっかけで好きになられ、告白されて断って以来、ストーカーじみた行為を受けて病んでしまった経験があるのだが、それが原因となって自分に好意を向けてくれる人に嫌悪感を抱いてしまうのではないか、と考えている。まあそんなことはどうでも良い。

今回もそうだった。自分に好意を向けてくれているCちゃんを、好きになってあげることができなかった。でも、今回は頑張ろうと思えた。本当に顔がタイプだったので、頑張れる気がした。だから、好きだよ。付き合ってほしい。と泣きながら言われた時はいつも、ありがとう。今は応えることはできないけど、もう少し待ってくれれば、俺も好きになるから。一緒にゆっくり歩んで行こう。っと言っていた。

ある日、深夜3時にバイトが終わり、携帯を開くとCちゃんから会いたいよ。とラインが来ていた。俺も会いたい。とラインを返すと、すぐさま電話がかかって来た。会いたいから、今から会いに行っていい?と言った内容だった。彼女はまた泣いていた。

時間が時間だったため、すこししんどいなぁとは思ったものの、そう言ってくれるのは嬉しかったし、俺も会いたかったのは本当だったから、いいよ。とだけ言った。Cちゃんはそれから30分ほど後に、本当にタクシーで家までやってきた。

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